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ひたし豆と数の子 [料理]

急に数の子が食べたくなった。しかし,正月前にはどのスーパーにも大量に置いてあった塩数の子が,まったく見当たらない。あっても,味付けされた真空パックのもの。塩数の子はどこへ行ってしまったのだろう。

塩数の子と言っても,かつお節に醤油をかけて食べたいという訳ではない。思い描いているのは,もう20年以上も前に母が作ってくれた料理。数の子と大豆がだし醤油のようなものに漬けられているものだった。枝豆のような食感の大豆と味が大層気に入ったのだが,家で出されたのは1回切りだったような記憶がある。数の子なんて普段は食べなかったので,正月だったのだと思うが,次の正月までの間に,母の頭の中からすっかり消えてしまったのだろう。何年か経って,やはり正月の時などに,その料理の話をしてみたのだが,全く覚えていなかった。だから作り方を訊いても分かるはずがない。

そんな料理のことを,時々は思い出していたのだが,昨年末におせちを自分で作ることになって,ちょっと調べてみることにした。どうせ数の子を使うのなら,あの料理を作りたい。こういう時Webは有難い。料理の名前も分からなかったのだが,「数の子」と「大豆」というキーワードで,すぐに判明した。あれは「ひたし豆」というものなのだそうだ。

実は,「ひたし豆」という名前には心当たりがあった。富澤商店をふらふら見ていた時に,そういう商品を見つけて買ってあったのだ。酒のつまみに良さそうだと買っておいたのだが,そのまま放置してあったのが「ひたし豆」だった。てっきり豆だけの料理なのかと思ったら,数の子を入れるのが定番らしい。豆の方も,普通の大豆ではなく,「青大豆」というものを使うようだ。確かに少し緑がかった豆なのである。母が作った時の豆もこれだったのだろうか。そう言われてみればそのような気もするし,普通の大豆で作ったものだったのかもしれない。今となってはもう確かめようのないことではある。

果たして,早速作ってみた「ひたし豆」は,まさに記憶の中に残っていた味・食感と同じものだった。これならいくらでも食べられる。ダシの中に数の子の旨味が溶け出していて,いい塩梅になっている。しかも簡単。青大豆は一晩水につけて戻さないといけないし,数の子も塩抜きが必要だが,あとは戻した青大豆を煮て,数の子とダシと和えるだけだ。いつでも食べたいときに作れるではないか。

と思っていたら,なんと,肝心の塩数の子が見つからないという事態に。そんな折,たまたま立ち寄ったデパートの地下の魚売り場で,塩数の子を発見。ちょいと高いが仕方がない。ひたし豆で食べるならそれほど量はいらないので,80g程を購入した。その後,成城石井でも見つけた。やはり,近所のスーパーとかより,少し高級なところに置いてあるものなのか。

おせちの時は,若干味が薄く,豆も固い感じだったので,その辺りを微調整。数の子も少ないので,豆は100g分。それでも,戻すと結構な量になる。おせちの時より仕上がりは上々。良い酒の肴ができた。

参考にしたレシピはこちら


かりん [料理]

左が煮汁から作ったジャム(ゼリー)。右は果肉から作ったジャム(ペースト)

先日,友人とのやりとりをきっかけに偶然知ったのだが,「かりん」という植物には2種類あるようだ。漢字表記だと,「花梨」というのに馴染みがあると思うが,こちらは「マメ科」の植物で,材木として利用される。一方,のど飴で身近な「かりん」は,バラ科の植物で,漢字では「榠樝」と書くそうだ。知らなかった。実際,Web上でも,混同されていると思われるものが多い。三省堂国語辞典の記述も,2つをごっちゃにしているような感がある。

それはともかく,近所のスーパーで,「かりん」が2コパックで,見切り品として安く売られているのを見つけた。勿論,果物の方だから,「榠樝」である。かりんの実物を見るのは初めてだったので,取り敢えず買ってみた。

かりんの実はすごく硬い。果皮は,ちょっとペトペトした感じ。でもとても香りが良い。硬くて酸っぱくて渋みもあるので,生で食べるものではないそうだ。お酒や砂糖に漬け込んだり,ジャムにするのが一般的な食べ方らしい。ということで,ジャムに挑戦。

レシピはこちらのサイトを参考にさせて頂いた。種を取り除いて,皮ごと薄切りにし,煮込んだ煮汁だけを使う。煮汁の30%ほどの砂糖を加えて,煮詰めるだけ。最初,薄いオレンジ色だった煮汁が,だんだんと鮮やかな赤に変わっていく。ある程度煮詰めると,冷やした時にゼリー状になるようだ。煮詰めすぎると,ゼリーが固くなってしまうので要注意。実際,ちょっと硬くしてしまったが,それはそれで,寒天のようで美味しい。煮汁だけなので,2コからだと少量しか作れないのが残念。

残った果肉の方も,皮を剥いて,ミキサーやブレンダーでペースト状にし,砂糖を加えて煮詰めると,ジャムになる。ジャムというより,「餡」に近いかもしれない。シャリっとするような食感。煮汁の方ほどではないが,こちらも煮詰めるに従って赤っぽくなる。1回で2種類のジャムが楽しめるのは面白い。

これだけでは終わらない。最初に取り除いた種は捨ててはいけない。お湯で煮出すと,中からゲル状の物質が抽出されるのだ。これに砂糖を加えて飲むと,そんなに味はないが,ちゅるちゅるした不思議な食感を楽しめる。また,砂糖を加えず,そのまま化粧水としても使えるらしい。

そんな訳で,1つで3通りに楽しむことが出来る「かりん」。見かけたら,是非一度お試しあれ。


鏡開き [料理]

初の自作お汁粉

縁起を担ぐという訳ではないのだが,昔から,決まった日に食べることになっているものを,食べないと落ち着かないところがある。特にこのシーズンに集中しており,冬至のカボチャに始まって,大晦日の年越しそば,1/7の七草がゆ,そして今日,鏡開きのお汁粉である。子供の頃に,しっかり刷り込まれたのだろう。もっとも,カボチャの煮物は苦手なので,ポタージュにしてしまうし,年越しも,そばよりはうどんが好みなので,「太く長く」ということにして,うどんを頂く。七草がゆは,本来,正月の暴飲暴食に疲れた胃を休めるためのものらしいのだが,肉も入れてしまって,「七草雑炊」になっている。

今日だって,鏡開きと言っても,鏡餅を飾っていた訳ではない。それでも,お汁粉だけは食べないと気が済まないのだ。で,料理をするようになった事もあり,今年はひとつ自分で小豆から作ってみることにした。

参考にしたのは,「きょうの料理 2013年12月号」のテキストに載っていた「大原家のぜんざい」。意外と簡単そうだったので,材料を買って来た。北海道産の新豆の小豆と,鹿児島産のさとうきび糖。テキストに書いてなかったのでうっかり忘れていたのだが,大原さんの使った小豆は「大納言」という品種。大納言は,アクが少ないそうで,大原さんの手順にもアク抜き(渋切り)がない。買って来た小豆には,「大納言」とは書いていなかったから,アク抜きをした方が良いかもしれない。そこで,同じテキストに載っている「柳原家の粟ぜんざい」の方を参考にすることにした。

アク抜きは,小豆(200g)を水(3カップ)から強火で茹で,沸騰したら中火にして13分。そこで一旦茹でこぼすのだそうだ。そして再び水(1.3L)を入れ,中火で煮立たせる。アクが出て来るので取り,ふたをして弱火で50分煮る。豆の固さのチェックは,親指と中指で潰してみる。こしあんの時は親指と小指という,一番力の入りにくい指の組み合わせを使うそうだが,粒あんの場合はもう少し固くてよいという事なのだろう。固さが良ければ,ここでさとうきび糖(160g)を入れる。砂糖を入れると,それ以上豆は柔らかくならないものらしい。さらに塩を少し(小さじ1/3)加える。味見をしてみると,すっきりした甘み。スイカに塩をかけるのと同じ効果があるのだろう。

あとは好みの固さになるまで10分ほど煮詰める。木べらで鍋の底に線が書けるくらいが目安ということだったのだが,いつまでも緩くて線が書けない。でも水分はどんどん少なくなっている。これ以上煮詰めたら,お汁粉というよりあんこになってしまいそうだったので,火を止めた。なかなか言われた通りにはならないものである。しかし,少し置いておいて冷めたら,ほとんど水分がなくなってしまった。ジャムでもそうだが,冷えると固くなるものなのだろうか。だとすると,少し緩いくらいで丁度良いのかも知れない。まぁ水を足せば良いだけのことなのだけど。

餅は,ちょっと香ばしく,焦げ目が付くまで焼き,お椀に入れる。その上からあんをかける。結構良い感じ。初めての自作お汁粉の出来は上々だった。とは言え,やっぱりお汁粉は甘い。2回くらい食べられれば満足。残りはもう少し煮詰めてあんこにして,白玉とかアイスとかクレープで食べようかな。