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やっと出た「人類資金7」だが... [本]

限定版 人類資金7 (講談社文庫)
福井晴敏著「限定版 人類資金7」(講談社文庫)

何となく第1巻を読んでしまったのが運の尽き。途中でもう嫌になりかけてたのだけど,ストーリー展開はともかく,どういう決着になるのかは一応確認しておきたい。それだけのために,モタモタした展開に我慢し続け,第6巻の後,いつ出るかも分からない最終巻を,1年以上も待ち続けていたのである。その最終巻たるや,なんと約700ページ。1~6が200ページそこそこだったのに,何なんだ。だったら,それまで通り200ページくらいずつ小出しにすればいいじゃないか。どうも釈然としない。

6巻までのストーリーなんてほとんど忘れてしまっていたが,著者(出版社)の方も予想していたのだろう。冒頭15ページにもわたって,これまでのあらすじが書かれている。お陰でだいぶ思い出したが,よくよく考えてみると,この程度のストーリーで6巻も使ったというのは驚異的と言える。

そして,最終巻も予想通りというか,相も変わらずくどくどした叙述の,トロい展開。この程度の話に,なんでこんなに枚数を費やすの? 水増しして,1巻の単価を吊り上げようって魂胆か? 更には,大して格調高い文体でもないのに,取って付けたように難しげな単語を使いたがるのに呆れてしまう。無理してそんな言葉を使うのは,表現力が不足しているからなのだろうという印象。使い慣れていないせいか,用法がおかしいところもちらほら。文章の手本にはなりませんな。

そして結末。こんなに話を拡げて,どうやって決着付けるのか興味津々だったのだが,案の定腰砕け。そんな写真で,退出しようとする人達の足を止められるか? そんなスピーチで,世界中の人々の心を動かせると? 世界を大きく変えられると? それならもう誰か本当にやってるよ。無理がありすぎる。全くリアリティがない。読んでて,なるほどそう来たか! という感動が全くない。寧ろ白けてしまった。大衆娯楽小説としてもいただけない。正直,読むに値しない。1年以上も時間をかけて出て来たのがこれ,ということはアイデアが枯渇してしまったのだろう。というか,こんな大事なことを,構想段階で決めておかなかったのだろうか。理解不能だ。

実のところ,第1巻の頃は,悪くないと思っていた。特に,成長し続けることを義務付けられた資本主義の矛盾と限界については,共感するものがあったのだ。だからこそ,この読みにくい文章を2巻以降も続けて読んできたのである。最終巻だって,700ページもの本を読む訳だから,期待がなかった訳ではない。しかし,あっさり裏切られた。この徒労感。申し訳ないが,最低評価をつけるよりほかない。


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