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「アイシテル-海容-」の続編 [マンガ/ゲーム]

アイシテル-絆- 前編 (KCデラックス)
講談社KCデラックス「アイシテル-絆-」。「アイシテル-海容-」の続編で,前編・後編の2冊構成。「海容」は,被害者と加害者,それぞれの親の視点だったが,「絆」は加害者の弟が主人公。

自宅のデスク周りを片付けていて,「アイシテル-絆-」というコミックを見つけた。以前読んだ,「アイシテル-海容-」の続編である。数ヶ月前に書店で見かけて購入したものの,始めの方の話があまりにいたたまれなくて,途中で閉じてそのままになっていたものだ。読まずに片付けてしまう訳にも行かないので,意を決して読んでみた。

ストーリーは,「海容」の最後に,加害者の弟として生まれた子の,その後の半生を描いたもの。殺人者の弟だということで,いじめや迫害を受け,徐々に心が荒んでいき...というお話。テーマとしては,東野圭吾の「手紙」に近いものがあるが,救いがないという点で「手紙」の方が厳しい話といえるだろう。

ただ,「アイシテル」では加害者は小学生。法的に保護されているはずなのに,実名がばれて晒し者にされてしまうのは,現実の社会でもしばしば起きている通りだ。これでは何のための保護なのか。そして,何も知らない幼い弟に対する,学校でのいじめ。直接いじめているのは子供達だが,いじめをさせているのがその親なのは間違いない。「手紙」にあったように,犯罪者が血縁者を含めて社会から差別されるのは仕方がないとしても,より積極的に害を加えてよいということにはならない。日本は法治国家であり,法によって裁かれ,刑を科せられるのであって,一般市民が勝手に危害を加えてよいはずがない。相手が誰であれ,危害を加えれば,加えた方は加害者であり,犯罪者でなのだ。そして,危害を加えることによって,加えられた方が犯罪者へ変貌する可能性さえある。

昨今の,匿名掲示板を中心に,犯罪者のプライバシーの公開や,迫害の煽りなどがエスカレートしているの見ると,自分たちが加害者になっていることが理解できていないように思う。こういう間違った正義感が,日本特有のものなのかどうかは分からないが,問題は集団化しやすいことだ。ひとりひとりの及ぼす害は小さくとも,集団化すれば暴力になる。しかも,ひとりひとりの害が小さいので,罪悪感が沸きにくいのが怖い。マスコミさえ加担しているのが困りものだが,もっと真剣に社会問題として取り上げ,警鐘を鳴らすべきではないか。自分の子が殺人を犯さない可能性なんて,思っているより低くないかも知れない。他人ごとではないのだ。このコミックを読んで,そんなことを感じた。


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九子

なぜかトラックバックをお送りできませんでしたのでコメントのみ差し上げます。
下記ブログにて同じ話を取り上げました。
私もプライバシーの問題はもう少し何とかしなければいけないと思います。マスコミの責任も大きいですよね。
今は中学校の校長先生の訓話で「自分の子どもが非行をしないなんて親は考えないで欲しい。」と言われる世の中ですから、他人事として考えちゃいけないんですね。
by 九子 (2011-10-02 12:29) 

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