iPadで動画の音が出ない時 [ソフトウェア/PC関係]
iPad2で動画を観ようと思って,手持ちのmp4ファイルを試してみることにした。ところが,iTunesにファイルを追加して,同期を実行してみると,「このiPadでは再生できないため~コピーされませんでした。」とかいうエラー・メッセージが...。何これ。
動画ファイルのフォーマットが悪いのかと思って,真空波動研SuperLiteで確認した結果がこれ。
[XXXX.mp4] 1280x720 24Bit AVC/H.264 High@3.1 29.97fps 83610f 1333.96kb/s AAC 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) LTP 127.60kb/s
何が悪いのかよく分からないが,H.264のプロファイルが"High"なのがいけないのだろうか。iPadの仕様には,「メインプロファイル」って書いてあるもんなあ。やっぱり,再エンコードが必要なのかな。
その後いろいろ調べてみたところ,iOS自体は,1920x1080のフルHDでも,Highプロファイルでも再生できるらしい(参考サイトのリンク)。iTunesでは転送できないが,"Files XT"という無料アプリを使うと転送できて,再生も出来るんだそうな。
早速,Files XTをインストールしてみる。iTunesと同期させると,iPadのAppタブの下の方の"App"というセクションに,"Files XT"のエントリができている(私の環境では,何故か「Files XT」という名前が表示されない場合がある)ので,それを選択して,右の「Files XTの書類」にmp4ファイルをドラッグ&ドロップする。自動的に同期が始まるので,終わるのを待って,iPadでFiles XTを起動すると,転送されたファイルが見える。これを選択すれば,再生を開始できる。確かに,Highプロファイルなのに,映像は再生できるようだ。しかし,今度は何故か音が聞こえない。ボリュームが0になっている訳ではない。ではどうして?
怪しいのは,真空波動研の出力にある,AACの「LTP」という部分だ。AACの詳細には詳しくないのだが,LTPはH.264でいうプロファイルのようなもので,符号化方式が拡張されたものらしい。iPadの仕様には「AAC-LC」と書かれているので,LTPはサポートできないのだろうか。
問題のAACは,FAAC GUIというフリーのツール(faacのソース・コードを取ってきて自分でコンパイルする)を使ってエンコードしたもの。FAAC GUIのパネル上は,「AAC Object Type」が「Low Complexity」(=LC)に設定されている(しかも他に選択肢がない)のだけど,これが嘘なんだろうか。そこで,別のフリーのAACエンコーダー「Nero AAC Encoder」を試してみることにした。これは,「Nero AACコーデック」というパッケージの中に含まれている,コマンドライン・ツールである。mp4boxの「-raw」オプションで,mp4ファイルからAACを取り出し,faadでWAVEファイルに変換した後,neroAacEncでAACへ再変換。できあがったものを,再び真空波動研で見てみると,
[XXXX.aac] AAC 48.00kHz 2.0ch(2/0 L+R) HE(LC) 164.24kb/s
となった。「HE」というのが気になるが,LTPではなくてLCになっているようだ。iPadの仕様に書かれているよりビットレートが若干高いが,取り敢えずこれで試してみる。Yambで映像とAACをMUXしてmp4ファイルを作成し,iTunesに登録。同期してみると,今度はちゃんとiPadへ転送された。ってことは,H.264のHighプロファイルは関係なかったのね。肝心の再生の方も,標準アプリの「ビデオ」でまったく問題なし。音もちゃんと出る。Files XTは必要なかったみたい。
という訳で,動画の音が出ない場合は,AACのエンコーディングを疑ってみると良いかも,というお話。












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